自民党だなんだと政党の名前が出てくるあたりで、急に小難しく感じたり、インチキ臭さが漂いだしたりする、という声は多い。
○○党を支持する、なんて人前で口にしたら、ものすごい変人か悪人のように思われてしまう、とか気になって、下手に政治のことなんか話題にできない、というのが実際のところだろう。
学校で一切教えないから、そんな変な先入観が広く植え付けられてる気がする。
海外では、こんな空気はまずない。特殊な事情がある一部独裁国家(例えば北朝鮮)は別にして。
与党「系」の「系」とは?
「与党(よとう)」は「政権党」ともいう。国なら総理大臣、県や市などの地方自治体なら知事や市長などのいわゆる首長を出している党だ。国や地方自治体の政治のリーダーシップを握っている党、ということになる。
国民に政治権力を与えられてるから、(政権を)与えられた党=「与党」、ということらしい。
で、反対が「野党(やとう)」だ。ま、与えられてない党、というところか。
問題はそれぞれの語尾につく「系」だ。素直に考えれば、~系、ってのは、~っぽいとか、~の仲間、とか。
で、実際そうである。「与党系の議員」とは、「与党には入ってないけど、限りなく与党に近い議員」みたいなことになる。ややこしいな。だったら素直に入ればいいじゃないか。
このように、『ややこしいな。だったら~したらいいじゃないか!』的なハナシが、政治の世界には山ほどある。そして、そこには政治家の思惑が見え隠れする。だからハナシがフクザツになってしまう。そして政治(家)は敬遠される。
特に地方ではこういうケースが多い。首長選挙はその典型で、ほとんどの首長候補は無所属で立候補する。ひどいケースになると、昨日まで○○党だった議員が、突然離党して首長選に立候補したりする。突然辞めるからケンカしたのか、と期待?したら、何のことはない、その後も仲良くやってたりする。なんじゃそりゃ。
ま、これには、離党することで『私は○○党じゃないので、○○党のことがキライでも、私に一票入れてください!』と、AKBばりにアピールするとか、いろいろな思惑とか選挙戦略が、一応あるらしい。
かくして、与党系、野党系、というワケのわからん政治家がこの国にはウヨウヨいる。裏を返せば、日本の政党はとことん国民の信頼を失っている、ということでもある。
短い選挙のプロフィールには、この「系」のことは書いてない。経歴で旧所属政党がわかるかもしれないが、票狙いの偽装離婚モドキの離党もあれば、ホントに(政策とかで)対立してケンカ別れしてるケースもあるので、単に元○○党だけで決めつけてはいけない。
無所属議員と○○党議員の実態
このように、単に無所属、と言ってもいろんなケースがある。そしてもちろん、どこの党とも合わないので、どこにも属さず自分の主張を貫く!と、ホントに純粋に無所属(GOTV EHIMEでは「完全無所属」、と呼ぶ)、という立場のヒトもいる。これはスゴい。なにがスゴいって、まず、党の支援がない。普通、その候補が○○党という場合、○○党から金銭や人手など、いろんなサポートがある。選挙は一人では戦えない。
ということは、○○党の議員は、○○党のいう事を聞かざるを得ない。党の意見と自分の意見が合わなければ、党に従う。これを党議拘束という。党の意見と各議員の意見が100%一致することは、まずない。なので、よほどその議員の覚悟がなければ、選挙の時に言っていたことが守れない。かくして、理想は現実の前に屈する。とゆーことで、「選挙の時に言ってたことと違う!」というハナシになる。
だが、完全無所属ならOKか、というと、そう単純なハナシでもない。無所属議員は別の理由で、やはり選挙前の理想はなかなか実現できない。完全無所属、となると、言い換えれば孤立無援。一匹狼。
日本の政治は民主主義イコール多数決。それが現実だ。理想を掲げた孤高の無所属A氏(仮名)は、多くの賛同者を政治の場で集められるだろうか。残念ながら、ハードルは高い。
結論:所属政党と違うことを主張する候補は信じるな
よっぽど実績があれば別だが、そんな議員はまず党から除名処分(クビ)だ。そうなってないのは、それなりの理由がある。それも、悪い意味で。
結論:無所属の候補は完全無所属か、もしそうなら主張を実現する戦略があるか、要注目!