参議院6年、衆議院…

参議院議員の任期は6年。一度当選すると、自分から辞めなければ、まぁよっぽどのことがない限り、6年間議員であり続ける。
一方、衆議院議員の任期は?と質問されたら、あなたは何と答えますか?
4年、と答えたあなた、「一応」間違いではない。公民の教科書にもそう書いてる、んじゃないかと思う。最近の教科書読んでないのでわかんないけど。

ただ、「一応」4年なのだが、そこには条件がある。その条件とは、ズバリ「ただし、総理大臣が解散しなければ」。
で、過去を振り返って、総理が解散せずに衆議院議員が4年の任期を全うする、ということは、まず、ない。過去に一回しかなかった。今後もない可能性が極めて高い。
任期の半分(二年)も経ってないのに解散!なんてことも珍しくない。

解散、というのは、例えばバンドの解散とかとは全然違う。衆議院の解散は、早い話が、クビ、である。衆議院議員(代議士)が衆議院議員でなくなるのだ。

総理は「解散」がお好き?

代議士のクビ、というのは、一般には「解散」と呼ばれている。
参議院には解散がない。クビになる事はまずなくて、6年間の雇用が保障された存在なのだ。

さて、この「解散」は総理大臣しかできない「特権」である。
だからかどうかはわかんないけど、過去の総理はやたらと解散したがる。
日本の総理大臣は、同時に衆議院議員でもあるので、自分をクビにしてることになるが、自分は次の選挙でも勝てるという自信があるからなのか、やたらに張り切って「解散」を乱発してる(ように見える)。
因みに過去に現職の総理大臣が解散直後の選挙で負けた例はない。
唯一、選挙中に死亡した例(故大平元総理)はあるけど。

一方メディアは、この「解散」を最大の政治イベントとして捉え、やたらと解散させたがっている、ようにも見える。多分ネタが増えるからだろう。
その割に、日本の総理大臣はコロコロ変わる、議員は選挙にかまけている、と批判してみたりする。どっちなんだろ?

しかも不可解なことに、政治の世界では、解散ができない首相は、ダメ首相呼ばわりされたりするらしい。
更にわかんないのが、解散した瞬間、衆議院では全員が一斉に「バンザ~イ!」と叫んだりする。
自分たちが(とりあえず)“ニート”になった瞬間に、である。
よほど議員であることがイヤだったのだろうか。とてもそうは見えないが。
しかもこれには、どうやらちゃんとした理由はない、らしい。
結局は“慣習”ということで、特に理由もなくやってるらしい。なんだそりゃ。

参議院は「解散」のない衆議院?

いくらここで騒いでも、「解散」はなくならない。
そして、ただでさえ2年参議院より任期が短い衆議院に解散があることで、イヤでも衆議院議員は選挙を常に意識する。当選した次の日から、次の選挙が始まっている、とさえ言われる。

一方、参議院と衆議院の間には、本来は大きな権限の差はないことになっているが、実質参議院は衆議院の下、と見られることが多い。参議院は注目度もその分低い気がする。
ということで、参議院は衆議院のチェック機能、とか言われたりもする。そんなルールは別にないのだが。もちろん参議院は衆議院のオマケ、という決まりがあるわけじゃない。

ただ、「解散」の有無や任期の長さ、選挙の仕方の違いもあって、明らかに役割に差があるのは事実だ。なんといっても、総理は衆議院から選ばれるので、衆院選の結果は政権選択に直結する。なので、衆院選のことを「国民の信を問う」なんて言ったりする。
あと、実際、衆議院は政権与党(現在は自民と公明)に有利な結果が、参議院は反政権側(野党系の候補)に有利な結果が出ることが多く、そこで一種のバランスがとられているようなフシもある。

参議院は決算監視に重点を置く、とか、もっともらしいハナシもあるけど、どうも“後付け”感がプンプンする。実際、そういう事になってるわけじゃないし。
結局は、「選挙命」の衆議院に対し、当面、選挙は度外視した活動ができる参議院、ということにはなるかな、と。
てなことを考えると、衆院選は手堅く(ベテラン重視・与党寄り)、参院選は冒険(新人重視・野党寄り)してみる、という判断をするのが合理的なのかもしれない。

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