【有名人か、無名の候補か】

現職や元職、新人を問わず、それぞれの候補に過去の経歴がもちろんある。
候補者を選ぶ上で、その候補がどういう経験をしているか、というのは、もちろん重要な判断材料になる。
そして、それは選挙に出るということがどういうコトか、というのとも大きく関係している。

選挙に大事な3つのモノ

そもそも政治家になるのに必要なものが3つある、と昔から言われている。「鞄(カバン)・看板・地盤」というヤツだ。

まず、「鞄(カバン)」。とゆーか、その中が大事。早い話が「カネ」のこと。選挙にはとにかくお金がかかる。
選挙ポスターやパンフレット。街中で名前を連呼する街宣車。事務所の家賃。そして何より様々な選挙活動にかかわる人々への報酬(人件費)。すべてがボランティアだけで済めばいいけど、世の中そんなに甘くない。それから選挙に出るためには供託金、というのを払わないと、そもそも選挙に出られない。しかも、この供託金は規定より票が集まらなかった候補には返ってこない。受験するだけで全員払わされる受験料と一緒だ。
そんなに金を使わなきゃいい、と思ってしまうが、話はそんなに簡単じゃない。なぜなら、相手候補がガンガン「カネ」をつぎ込んできて、それで当選している前例があるので、勝ちたかったら「カネ」を使え、ってことになってしまうからだ。選挙は落ちたら意味がない。

次に「看板」。に書いてあるもの。名前だ。要は知名度。いきなり名前も顔も知らないオッサンやオバサンが選挙に出て、当選するくらい票を集めることができるだろうか。
全ての国民が、名前も知らないいきなり選挙に出てきた候補と、一応それなりに顔や名前を知ってる候補を並べたとき、全く純粋に同じ扱いをするだろうか。日々の生活にあわただしい中で、全ての候補の選挙公報やパンフレット、ネットなどに目を通し、純粋に訴えている政策や目標などを冷静に分析して投票!なんてしている人は…恐らくごく少数の方だ。本当は丁寧な情報収集や分析をすべきだろーが。
そもそも政策とかはチェックせず、
かくして一応は名を知られてるはずの現職候補や、新人でも他分野で顔の売れてる有名人は当然選挙で有利なことが多い。

最後に「地盤」。後援会とか支援団体、とかいうもので、一般の人間には一番わかりにくいかもしれない。
まぁ、その候補者の熱烈な応援団、というところなのだろうが、純粋に一般の市民が組織する後援会は、その名の通り候補者の応援団が自発的に集まったもので、有給の事務所スタッフのように選挙活動を手伝ったりする。しかも大抵は無償、つまりボランティアで。それどころかカンパまでする方もいる。
一方でわかりにくいのは、一般市民の後援会じゃない、それ以外の支援団体。例えば会社内のとか労働組合とか宗教団体とか、まぁいろいろ考えられる。いずれも、その候補者が選挙に出るから、ということで組織されたのではなく、別の目的で既に存在する組織が、ある候補者を支援しよう、ということになってその選挙を手伝う、というものだ。ノーギャラで純粋に集まってるのではないし、こういった組織の方が遥かに人数も多く、ぶっちゃけ「票になる」。
ヒトは熱意だけでは動けない。ことも多い。会社とかで動員されてる組織は、いやいや集められてたとしても、仕事上とか上司との人間関係とか、いろんなしがらみで集まってる方が、とりあえず力がある、ことが多いみたい。熱意よりも。なんかとっても日本的だな。
とにかく一般的には、「地盤」というのは、こうした「しがらみ組織」のことだと思っていい。

恐るべき「しがらみ組織」

一般的には有名人が選挙に強い、ってのはわかるが、有名でもなんでもないのにやたらに選挙に強い候補が時々いたりする。こういう候補は大体経歴を見るとわかる。会社とか団体とかのエラい人だったりするはずだ。これがまさに「地盤」の勝利。その「エラい人候補」の経営する会社とかの出身母体が強力な組織を作って、家族や親せきとかご近所さんとか、まぁ周囲の人を思いっきり巻き込んで、ガンガン票を集める。あなたも巻き込まれた経験があるかも。
こうした支援組織は、候補者に雇われてるワケじゃない。その意味では、ボランティア。だが、オイシイ話にはまず間違いなく、ウラがある。こうした支援組織は、まず例外なく候補者に「見返り」を求める。センセイ、当選したアカツキには…ってヤツ。例えば、その支援組織に有利な政策を実現して…ってことだ。
なにか汚い話のように感じるかもしれないけど、実はそうじゃない。こうしたやり取りに直接カネが動けばもちろんアウトだけど、直接カネが動くのじゃなければ、何の問題もない。例えば、ある主婦が託児所がなくて困っているから作ってほしい、と政治家に頼んで、これは作るべき!と思った政治家が動いて託児所ができたら、それは悪いことかというと、もちろんそうじゃない。他の人にとっても、多分いいことだろう。海外でも当たり前の話だ。政治家は本来、このような感じで市民のために働く存在だ。

だが、ある主婦の要望を聞くのと、「しがらみ組織」の要望を聞くのは、だいぶワケが違う。なぜなら、「しがらみ組織」の支援が強大であればあるほど、その政治家は恩返し、とゆーか次回の当選のために、間違いなく「しがらみ組織」のいいなりになる。
そして「しがらみ組織」の利益が市民の利益と同じならいいけど、大体は多数の市民の利益に反する。その時、政治家は多数の市民の利益に反する逆の動きをしてしまう。まず間違いなく。これが問題なのだ。だって、フェアじゃないじゃないか。一部の利益のために、多数の利益がダメになる、なんて。
でも、残念だけどこんな話が、政治の世界にはゴロゴロしている。

結論:「しがらみ組織」支援候補には要注意!
「しがらみ組織」がない候補者は、新人が多い。だが、新人でも経歴が凄い候補は要注意だ。逆に現職や元職でも、そうじゃない候補もわずかながら、いる。極論だけど、いつも絶対勝つとか言われてるような候補には、入れない方が賢明かも。いつも勝つ=やたらとしがらんでる、と考えて、まず間違いない。

最後に、GOTV EHIMEのワンポイントアドバイス。
あなたが誰に投票したか、は絶対バレない。自分からカミングアウトしなければ。なのに、日本人はマジメとゆーかリチギとゆーか、組織の数と投票結果は比例する。つまり組織とかの言いなりになって投票する人がものすごく多いのだ。
~に投票して、とか、会合に顔を出せ、とか言われたら、ニッコリ笑って協力する「フリ」をしよう。で、実際の投票では自分がこの人、と思う人に投票すればいい。
それが自分の将来のためだ。例えば会社の言いなりで投票しても、途中でその会社を辞めたら意味がないでしょ?でも投票結果は、その後もずっと残っていくもの。
どうすればいいか、答えはもう、出ている。

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