【地元出身候補か、「落下傘」か】

年齢や所属政党と並んで、候補者の出身地や学歴・職歴は比較的カンタンにわかる。
つまり、その地域にどれだけ縁のある候補者かも大体わかるのだ。

「落下傘」とは

選挙の世界では、「落下傘(候補)」という言葉がたまに出てくる。もちろん、空から降ってくるパラシュートと呼ばれる、アレのことだ。地元の住民からすると、地元に縁も何もない「よそ者」の候補者は、突然空から降ってくるようなもの、ということでまさに「落下傘」みたいだ、ということで「落下傘(候補)」と呼ばれる。
地方議員の選挙ではほとんど目立たないが、衆参両院の国政選挙や知事選挙ともなると、この「落下傘」がかなり目立つ傾向がある。

「落下傘」は基本的に選挙ではハンデとなる。その地域の代表、地域住民の代弁者を選ぼうとしているのに、過去にその地域に住んだ経験もなく、その地域と何の関係もない部外者がいきなり選挙に出ます、と言っても、まぁ冷ややかな反応しかないだろう。
特に愛媛は「保守王国」と呼ばれ、外部の人間には冷たい、とは言わないまでも、カベのようなものを作ってしまいがちな社会だったりする。そして愛媛に限らず、地方にはそういうケースは結構多い。

それでも「落下傘」なワケ

こんな事情があるのに、いつの選挙でも「落下傘」はいる。こんな、まさにアウェー感がテンコ盛り、な状況にあえて飛び込むのには、もちろんワケがある。
そもそも、行ったこともなければ、その地の方言もわからない、という状況で、自分の意志で「よし!立候補する!!」とは思わないだろう。それどころか、思いつきもしないんじゃないか。ということは、誰かに言われた、とゆーか、行けと言われたワケだ。
まぁ早い話が、党のエラいさんに言われたのだ。「お前、今度の選挙に○○から出ろ」的な。
なので、「落下傘」になるのは大体新人か、若手。ちなみにここで言う若手は、政治の世界の若手なのであって、20代の爽やかなイケメンとか美女を想像してはいけない。ガッカリするだけだから。
で、党のエラいさんが何でそんなことを言うのかとゆーと、大臣経験者とかの大物は、既に立派な「地盤」があったりするので、本人もまず首を縦に振らない。党としても、その地にいれば確実に勝てるだろう大物を、無理に選挙区を変えて落選されても困る。若手なら万が一負けても諦めがつくし、党としてもキズが浅い。
そもそも、「落下傘」を落とされるような地域は、その党にとって有力な候補者がいないことを意味する。当たり前だ。既に有力な候補者がいるのに、更に「落下傘」を落としたら思いっきり相討ちになってしまう。党の自殺行為だ。

「落下傘」は悪い事ばかり?!

と、ここまでの話で、「落下傘」は悪いことしかないように感じるかもしれない。だがそうとも言い切れない。「落下傘」ということは、「地盤」がない。とゆーことは【有名人か、無名の候補か】で出てきた、しがらんでる、しがらんでないという観点からすると、当然しがらんでない候補、とゆーことになる。
申し訳ないが、「落下傘」で他にいい点があるかというと…思いつかない。

結論:対抗の候補がしがらみまくってれば、迷わず「落下傘」を選ぼう。そうでなければ、「落下傘」は避けた方が無難である。

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