選挙はすべて同じ、ではない

3選挙、と一口に言っても、その種類は様々。
それぞれ役割が違えば、意味も違う。
知ってるようで知らない、選挙の種類とその意味。

「国政選挙」と「地方選挙」

選挙には、国会議員を選ぶ「国政選挙」と、各都道府県や市町村の議員やそのトップ(市長とか知事、首長という)を選ぶ「地方選挙」の2種類がある。

メディア等の注目度は断然「国政選挙」の方が上で、その影響からか投票率も高い。
一方、「地方選挙」の方が注目度も低く、更に競争率も低い。
場合によっては定員に満たず、無投票で当選、というケースも珍しくない。
注目度が低い分、情報も集めにくく、選挙民にとっては「国政選挙」以上に判断に困る選挙だったりする。

注目が集まる「国政選挙」は、国の重要事項を決めることになる選挙で、実際、地方では関与できない憲法や防衛、外交などを決めていくのは国政であり、それに国民が関与できる唯一のチャンスが「国政選挙」である。

だが、国政は規模が大き過ぎる。議員一人当たりの住民の数も多く、それだけ住民との距離も、残念ながら遠いことが多い。住民の意見が届きづらい。更に困ったことに、せっかく選んだ議員も、国会の規模が地方に比べて大きいので、議員の意見が国会に反映されるのに時間がかかったり、場合によっては議員の意見が通らないことも珍しくない。
大きなことを決めてもらうには、断然国会議員(国政)だが、かなり長い目で見守る必要がある。

一方、注目度は低いが、地方は身近で住民の利益に直結する事柄に関与する。医療や福祉、教育といった身近な問題は、意外に地方が独自に決めている事柄が多く、何より議員一人当たりの住民の数が比較的少ないので、直接会って意見を聞いてもらったり、活動してもらったりすることも十分可能。

ま、どっちも重要、ということで。それぞれ役割が違うのです。

「衆議院議員」と「参議院議員」

国会議員には二種類あるというのは分かっていても、その違いは結構わかりにくい。
そもそも、肝心の議員自身が分かってないかもしれない。
「参議院議員」だった人がいつの間にか「衆議院議員」になっていたり、あるいは逆だったり。
ひどいケースだと、参議院議員が突然辞めて衆議院の選挙に出たりする。
どうやら、議員の中には、参議院より衆議院が上、と考えている人が多いようだ。

だが、本来この二つの院には原則、上とか下とかはない。これも国と地方の違いと同様、役割が違う筈だが、現実はそうなっていない。
事実、「参議院なんかいらないんじゃないか」「参議院は衆議院のカーボンコピー(だからなくてもいい)」という人は結構、いる。
と言いつつ、「参議院」がすぐなくなるか、と言えば、まずそれはない。もしなくなるなら、とっくになくなっていただろう。そもそも、衆参の二院制、という仕組みをつくったりかえたりできるのは、議員たち自身なのだ。自分やその仲間たちのポジションを奪うようなことを決めるワケがない。

ということで、今一般の市民にできることは、衆院選では衆議院議員らしい候補者を選び、参院選では参議院議員にふさわしい議員を選ぶ、ということだ。
え、違うの?と思うかもしれないが、違います。何が違うって、まず任期が違う。
当選してから議員でなくなるまでの期間が、衆議院と参議院は違う。
なんだ、そんなこと?って、実はこの違いがデカい。
詳しくは『参議院6年、衆議院…』で。

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